SNSな女たち

SNSで出会った女子とのリアルなやり取りを綴ります

夫がバイセクシャルな女 #ルミという女③

デートではいつもそれなりのレストランをチョイスするのだが、何を隠そう俺もB級グルメは大好きだ。
特に酒を飲むならナイフとフォーク、それにワインなんてまっぴらゴメンだ。
それはあくまで料理を楽しみに行くアクションであって、酒を飲みに行くのであらば
荒々しい味付けの料理を生ビールで流し込みたい。
 
ルミもそんなタイプだった。
 
ご存じの通り、食の趣味というのは男女の付き合いにおいては非常に大きな要素だ。
食の趣味が合わないというのはやはりツライ。
 
その点においてはまずはユキと俺は相性が良かった。
 
当然、この相性はその後の展開にも影響する。
初デートであればなおさらだ。
 
まあ、つまり焼き鳥屋を出る頃には二人ともすっかり気分よくなり、驚くほど心の距離は縮まった。
気取ることなく、かっこつけることなく、すごく笑って、すごく飲んだ。
 
初対面でこうも盛りあがるのか。
あー、俺は人間としてこの子を好きだなー
 
と思った。
 
 
 
 
2軒目のバーへは手を繋いで移動し、今度は少し酒のペースもスローに。
そして、じっくりとお互いのことを語った。
バーの薄暗さと酒に酔ったおかげで、俺はユキのキレイな顔を存分に見ることができた。
特に形のいい少し厚めの唇が好きだった。
 
ルミは
子供のこと
東北から上京してプロのヘアメイクになるまでのこと
自分の夫がバイセクシャルであり、子供がほしいがために結婚し、ずっとお互い別のパートナーがいるのをオープンにしていること を語った。
#なんだこのパターン#不倫になんのハードルもない
 
 
 
バーを出て風に当たるために再び手を繋ぎしばらく歩いた。
繁華街から少し離れ人気も少なくなっていた。
 
どちらかが前を向いて話し、どちらかが相手の顔を見て聞く。
このリズムがしばらく続き、
 
そしてふとリズムが狂った。
 
お互い同時に話しはじめ、お互いはたと自分の話を止め、顔を見合わせた。。
 
 
 
キスをした。
 
 
 
 
そこから会話はなくなり、何度もキスをした。
 
何気なく、いや本来のプランにのっとり、おそらくルミもそれを薄々感じながらホテル街へと歩いてきていた。
ここでホテルに入るのがプランであり、ルミも受け入れる姿勢だった。
 
 
 
ホテルには誘わなかった。
 
 
 
 
SEXはしたかった。ルミと初めて会った日からずっとしたかった。
ただ、してしまえば射精とともにルミへの気持ちが冷めてしまう気がした。
それがなんとなくこの日は嫌だった。
そういう安い日にしたくはなかった。安い関係にはなりたくなかった。
 
 
結局そのままタクシーを拾い、ルミを送って帰ることにした。
10分ほど走り、新宿を抜けようとしたその時、
 
 
ルミは突然その手で俺の両目を覆い、長いキスをしてくれた。
 
 
視界を奪われ、全身の神経は唇に集中した。2枚の唇でルミのすべてを受け入れることができた。
 
 
 
結局この後ルミとは会うたびにSEXをし、関係はしばらく続いた。
 
ルミとは何から何まで楽しくて、何から何まで相性が良かった。
その美貌はもちろん、人間的に大好きだったし仕事人としても尊敬していた。
だから続かなかった。
 
不倫にしてはお互いを大事にしすぎた。
 
 
 
ルミとの思い出は今ではボンヤリしているが、タクシーでのキスは鮮明に覚えている。
あんなに気持ちのいいキスを俺はもうこの先味わうことはないだろう。